君にメロンメロンサワー問題について
以前、友人たち数人と居酒屋に飲みに行ったときのこと。
ドリンクメニューの中に「君にメロンメロンサワー」という飲み物があり、それを注文した時の話だ。
予め言っておくと、「君にメロンメロンサワー」なるものは何の変哲もないメロンサワーである。
他の飲み物は普通の名前なのに、メロンサワーだけが何故か「君にメロンメロンサワー」という名称だった。
※写真はイメージです。
意図がわからない。ノリでつけてしまった名称なのだろうか。
いや、注文する時にさりげなく「君」に好意を伝えるために使うための飲み物なのかもしれない。
だとしたら、この「君」とは一体誰を想定しているのだろう。
かわいい店員さんか?
一緒に飲みに来た女の子か?
もしくは、店内の誰か気になる客か?
その客に一杯おごり、「あちらのお客様からです」などと言ってもらう例のあれ用なのか?
ていうかあれ現実にやる人いるのかな?やったらどうなるんだろう。
近所のジャズが流れてるそれっぽいバーでやってみたいけど、ジャージにタンクトップのくそ野郎がドヤ顔で飲み物をおごってきたら、シンプルにドン引きされそうだからやめとこう。
まあ、そんな冗談はさておき、本題に入ろう。
「君にメロンメロンサワー」についての最大の問題は、その名を声に出すのが恥ずかしいという点にある。
単にメロンサワーと言っても問題なく通じるとは思うが、「郷に入りては郷に従え」という諺もあるように、その店の正式な名称で注文するのがやはり筋というものだろう。
例えばサイゼリアでは、たらこスパゲッティとは言わない。
「タラコソースシシリー風」なのだ。
言いづれぇよとか、シシリー風って何やねんとか、しねとか、デブとか言ってはいけない。そういう名前なのだ。
とにかく、僕は店員さんを呼び、君にメロンメロンサワーを注文することにした。
僕「君にメロンメロンサワー1つ下さい!!!」
女子店員「はい、メロンサワー1つですねー」
うおおおおらあああああああ!!!!!!!!!!!!
何略してメロンサワーって言ってんだよこらああああ!!!!!!
「君にメロンメロンサワー」って言えよっ!!!!!!!!店員は絶対に言え!!!!!!
こっちはお前らのルールに合わせてわざわざ恥ずかしい名前で注文してんだよ!!!
それをなんだ??!略すなら何のためにこんなワケのわからない名前をつけた??!!
客をはずかしめるためなのか??!帰れ!!!!
まるで、社会の授業で「タイの首都は?」という問いに対し、正式名称で意気揚々と
「クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」
と答えたら、
「え・・・・・・バンコクでいいんだよ・・」
と言われてしまった感じだ。はずかしい。
いや、この場合はもっとたちが悪い。
「君にメロンメロンサワー」などという恥ずかしい名称をメニューに書き、客にその名での呼称を半ば強制している。
にも関わらず、その恥ずかしい名で注文すると、肩すかしのように略した名称で確認される。
「え・・まじでそれ言うの・・・きも・・・・普通にメロンサワーでいいし・・」
と言われているかのようだ。
人権を踏みにじる行為、決して許されるものではない。
僕はその時のトラウマで、サワー類を注文できない体になってしまった。
もう二度と同じ悲劇を繰り返してはならない。
僕はこの類の問題を、「君にメロンメロンサワー問題」と呼び、
委員会を発足し、解決に向けて全力で戦っていく所存だ(嘘)。
おわり