ぱいんはうす岸英明の「世界はグーチョキ天パー」ブログ

「ぱいんはうす」というお笑い芸人コンビの岸英明です!悩める天然パーマ達の味方です!「世界はグーチョキパーで皆違うからあいこでしょ!」と、かつて武田鉄矢が歌っておりましたが、冷静に考えるとグーとチョキだったらグーの方が強く、そこには明確な強弱関係があります。皆違って皆良いけれども、弱きを助け強きを挫きたいという感覚の下、ふんわり日常の思ったことを書いていきます!!

ウルトラマンスタンプラリー全制覇の巻

僕は2月16日をもって、JR東日本が開催しているウルトラマンスタンプラリーを全制覇した。

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全65駅、山手線を中心に東は茨城の取手、西は西荻窪、南には羽田空港第一ビル駅まで待ち構えている。どう考えてもふらっと行くような所じゃないし、改札の外に出なければスタンプを押せない上、どんなにスムーズにいっても総行程13時間はかかる。

しかも、ここまで頑張っても貰えるものは「全制覇証」というプラスチックのカード一枚のみという鬼畜さ加減だ。

 


「誰がやるんだよこれ!?笑」

 


と一笑に付していたが、パンフレットをよく見てみるとーーー…

全制覇するとパンフレットについているハガキで応募ができ、

  • A賞フィギュア20名
  • B賞ショットグラス48名
  • C賞ウルトラ6兄弟と写真撮影10名

が当たる可能性があるとのこと。

 

 

 


「……………」

 

 

 


「……やるしかねぇ」

 

 

 

 


僕のモチベーションは一気に沸点に達した。

 

 

 

 

ウルトラ6兄弟との写真撮影だとっ??!やるしかないだろ!!この野郎!!!

あまりにも熱い。熱すぎる。全員と同時に撮影できるなんて、そんな機会まずあり得ない。熱烈なウルトラマンファンじゃなくてもその凄さは分かる。まさに伝説。まさに偉業。アームストロングも白目剥いて卒倒するレベルだ。

一体誰だ??くだらないとか言って、馬鹿にしてた野郎は!!!

俺か!!!

 

 

 


かくして、大いなる野望を胸に僕はスタンプラリーに挑むこととなったわけである。

まず最初は、最も遠方である取手駅に降り立った。せっかくここまで来て、ただスタンプを押すためだけに改札を出るのは少し寂しい。駅の周辺を軽く散策しようと思った。

 

 


…が、取手駅には何もなかった。

 

 


無機質な雰囲気で人気がほとんどない。あまりの見所の無さに愕然とした。
追い込まれた僕は、気付けば市民ギャラリーで行われていた小学生の絵の展示会に迷い込んでいた。

 

 

 

しかし、そこで奇妙な魅力を放つ1つの名画と出会ってしまう。

 

 

 

タイトル「ぼくの出番」

 

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描かれているのは、フランスの国旗を思わせる配色の、オシャレなシャツを着たチンパンジーだ。その手には何とも怪しげな紫色の物体が握られている。

 

出番とは何の事か。紫色の物体は一体何なのか。てか、おでこ狭すぎない?

 

全てが謎だが、何とも言えない魅力があることは確かだ。だからこそ僕はこの絵の前に立ち止まり、見入っている。

 

写実的な絵にも関わらず、シャツや後ろのロッカーの幾何学的な構成は、どこか抽象的な要素も含み、また一見すると意味のありそうな作品に思えて、その本質はさっぱり理解できない。これはまさに超現実主義、シュルレアリスムの流れを汲んでいると言えなくもない。

 

そう。これは「ノートの切れ端を壁に貼ったり、木の板を床に置いただけのもの」等を適当なタイトルをつけて芸術とか言ってる狂った連中、ひいては昨今の芸術の在り方に対するアンチテーゼではないだろうか。

 

そうだ。間違いない。

この絵を描いた少年は若くしてその境地に達している。100年に一人の逸材。いや、1000年に一人かもしれない。

 

安西先生だったら「見てるか矢沢…お前を越える逸材が…」などと言い出しているところだ。

 

 


名画と出会い満ち足りた僕は、その後、駅に戻りスタンプラリーを続行した。

駅と駅を電車で移動、階段を昇り降りし、スタンプを押す。それをひたすら繰り返す。
15駅を回る頃には、寒さと単調かつ過酷な作業に肉体も精神も悲鳴を上げていた。

 

 

 

―――何故俺はこんなことやっているんだ。どうせウルトラ6兄弟との撮影会なんて当たるわけがない。何千分の一の確率だ。全くあほらしい。

 

 

心が折れかけていた。

 

 

安西先生だったら「諦めたらそこで試合終了ですよ」などと結構普通のことをドヤ顔で言い出している所だろう。

 

 

そんな安っぽい言葉は僕には響かない。

 

 

もう止めようと思った。僕の脳内ではその意思決定が為された。

 

 

 

しかし、意思とは逆に身体がスタンプラリーを止めようとしない。身体が勝手に動き、次のスタンプラリー対象駅に向かっている。

 

自分の意思とは裏腹、筋細胞達がリタイアを認めなかった。

 

 

 

「最後までやり遂げる」


強い意思の下、僕は再び立ち上がった。

 

 

 

電車での移動中、スマホを弄ったりしていたが、その内に目も疲れてきて、ケータイをしまった。かといって降りる駅は一駅か二駅横なので眠るわけにもいかず、自ずと駅間の移動は「瞑想」の時間になった。

 

 

 

禅だ。

 

 


目を閉じ、宇宙を感じ、空間と一体化する。

 

 

 

明鏡止水。

 

 

 

 

そうか。そうだったんだ。
このウルトラマンスタンプラリーは、形を変えた巡礼・遍路だ。修行だったのだ。

 


駅を回るごとに、僕の心は落ち着き、澄みきっていった。

 

 

ウルトラマンスタンプラリー全65駅を制覇する頃には、僕の心は無となり、空間と同化し、ほとんど樹木と変わらない状態になっていた。

 

 

 


そう。僕はウルトラマンスタンプラリーで樹木になった。

 

 

 

 

 

もしかすると、「岸は、針葉樹・広葉樹どの類の樹木なの?」という事が気になる方がいるかもしれないが、そういう方にはこう答えたい。

 

 

 

 

 

「うるせ!!!」

 

 

 

 

おわり