天然パーマ論~若き天パ達に贈るメッセージ
世の中には大きく分けて、二種類の人間がいる。
直毛の人間と天然パーマの人間だ。
もっと言うと、天然パーマの人間はさらに二つに分けられる。
軽度の天然パーマと重度の天然パーマだ。
ここでは仮に、軽度の天然パーマを「クセ毛」、重度の天然パーマを「ガチ天パ」と呼ぶことにしよう。
前者の「クセ毛」は、柔らかい髪質だったり縮れ具合が弱く、整髪料などを用いてオシャレを演出したり、縮毛矯正やストレートパーマなども利用でき、直毛の人間とほぼ変わらない生活を送ることができる。
また、このタイプの人間は自分の髪の毛に対してほとんどコンプレックスを持っておらず、「俺クセっ毛なんだよね~」「湿度高いと髪がくねるんだよな~」などと、自ら頭髪の話題を切り出すことに躊躇がない。
後者の「ガチ天パ」は、髪質が硬かったり、縮れ具合が強すぎて、縮毛矯正などは全く効かず、ワックスなどでの整髪もほとんど意味を為さない。そのため髪型の自由度は全くなく短髪にするしかないし、高頻度で髪を切るため経済的にも不利だ。
頭髪にコンプレックスを感じているので、もちろん髪に関する話題を自ら切り出したりはしない。天然パーマを連想させるようなワードにも敏感で、ちりとり、エビチリ、アフロ、スチールウール、モンジャラ、北島三郎、ちん毛、ボボボーボ・ボーボボなどの言葉が出た瞬間、内心かなりドキッとする。日々そういったワードに怯えて過ごすことを余儀なくされる。
全体的な人数の割合は、男子に関して言えば、
直毛・・・50%
クセ毛・・・45%
ガチ天パ・・・5%
くらいだろうか。感覚としては多分こんな感じだ。
いずれにしても、ガチ天パの人々は圧倒的マイノリティーであり、特に思春期の中高生時代には苦汁をなめさせられることとなる。
ボーズにするという逃げ道も確かにあるが、思春期の彼らにとっていきなり何のきっかけもなくボーズになるのには大変な勇気がいる。それ故、ボーズになるための正当性を求めて、ある者は野球部に入り、ある者は柔道部に入り、またある者はエミネムに憧れラッパーの道を歩むことになる。
そう。重度の天然パーマが思春期の中高生に与える影響は計り知れない。その後の人生すらも決定付けてしまう場合がある。
ところで、何を隠そう僕はガチ天パであり、頭髪に人生を振り回され続けた人間の一人である。
僕は自分と同じ苦境に立たされている若きガチ天パ達を救いたいと心から願っている。
だからひとつだけ勇気の出る事実を伝えたい。
サラサラヘアーの人間は大半がハゲる!!!!!!!
いまそこのトイレの鏡の前で髪をねじり上げているイケてる野郎は将来ハゲるんだ!!!!!!!
そして同窓会などで会ったとき、ハゲた彼に言ってあげよう。
「昔と全然変わらないね」
どうだろう少しは勇気を持てただろうか。
今はつらいかもしれないが、がんばれ。若かりしガチ天パ達よ。
中高六年、ハゲ一生。
だからそのチリチリヘアーに身を委ね、人生を強かに生きて行こうじゃないか。
P.S.
男は大人になると、髪でも顔でも何でもなく、金が全てです。
おわり